芍薬(しゃくやく)の花

この時季、芍薬の花は赤や薄いピンク、白色等の牡丹に似た大輪の花を咲かせます。

背筋がピンと伸びた芍薬は凛とした風情がありとても好きな花のひとつです。何となく雨の似合うイメージがあります。

花が良く似た牡丹は高貴な花の代表といわれ、芍薬は多くの人々に愛されてきた庶民の花といわれています。牡丹は「花王」と呼ばれ、、芍薬は花の宰相(さいしょう)「花相」(かしょう)と呼ばれています。

花の王「牡丹」

芍薬は、薬用の植物として平安時代に中国から伝えられました。500年頃の中国で、陶弘景が編纂した『神農本草経集注』(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)にも、薬として利用されていたことが記録として残っています。

漢方医学ではとても人気のある生薬の1つで、根には消炎、鎮痛、止血、抗けいれんなどの効果があるとされています。風邪の時に飲む葛根湯や急激に起こる筋肉の痛み(こむらがえり、内臓痙攣に伴う痛み、急な腰痛など)に効果がある芍薬甘草湯などの漢方に配合されています。

芍薬の花

また、美しく優しい姿から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と女性の美しい容姿を例えた有名なことわざがあります。

このことわざには、別の意味もあり、それぞれの花の持つ効能を表しているのだそうです。シャクヤクは肝のトラブルを治し、ボタンは血の巡りを改善、ユリは精神を安定させる働きを持っています。

つまり「すぐ腹を立てたりイライラしてしまう人にはシャクヤクを。血の巡りが滞りだるさを感じている人にはボタンを。神経衰弱で頼りなげな人にはユリを飲ませるとよいですよ」という漢方の効能を表してもいるのです。参考:タケダ健康サイト/タケダの生薬・漢方薬事典から

歩く姿は百合の花・・・

花の持つ効能については、初めて聞きましたがとても興味深いですね。取りあえずは花を買って飾ってみましょう。部屋の中に花があるだけでイライラは治まりそうですが・・・。

そして芍薬のように背筋を伸ばして過ごしたいですね。

ただ、日ごろ猫背の人は背中の筋肉が硬くなっているため無理に背中を伸ばすと痛みが出てしまうことがあります。最初は筋肉をほぐすストレッチから始めてみましょう。

少海(しょうかい)

辛い肩こりには少海(しょうかい)へのお灸を。

少海は腕を曲げた時にできる内側のシワの先にあります。押すと圧痛があります。肩から背中、首のコリなど硬くなった筋肉を和らげてくれます。同時にツボ周辺の肘の痛みにも効果的です。