冬病夏治(とうびょうかじ)
冬病夏治(とうびょうかじ)
東洋医学では、冬に発症しやすい病気を夏の暑い時期からケアをするという治療法があります。
冬になると、喘息や気管支炎、冷え、肩こりや関節痛、生理痛などを発症しやすい人、症状が酷くなりやすい人は体内に陽気のエネルギーが不足していることが多いのです。
「陽気」の盛んな夏の間に体質を改善して冬に発症しないように予防をするのです。
江戸時代の代表的な養生法指導書である「養生訓」(貝原益軒(かいばらえきけん)著)には、旧暦の7月8月(現在の8月9月)に温灸をすると体に良いと書かれています。
暑い夏の間は、身体を冷やさないで温かいものを食べて身体を温めておく。
というように、夏の間に陽気のエネルギーを補って冬になっても発症しないようにする治療法が「冬病夏治」です。
夏は陽気(ようき)が盛ん?
これはどのようなことなのでしょうか?
東洋医学では、世界中のあらゆることを陰と陽に分けて考える「陰陽論」(いんようろん)という理論があります。
対になるものを「陰」と「陽」に分類します。陰と陽はそれぞれがお互いになくてはならないもので、補い合ってバランスを取っています。
例えば、「陰」は、女性、夜、月、秋、冬、大地、雨、水、静、暗い、寒い、涼しい・・・
「陽」は、男性、昼、太陽、春、夏、空、晴れ、火、動、明るい、暑い、温かい・・・
夏は、自然界の陽気が盛んになります。
夏至が一年の中で最も陽気が盛んになり、冬至が一年の中で最も陰気が盛んになると考えられています。
夏は身体の陽気も盛んになり体内に潜んでいる寒の邪気(かんのじゃき)寒邪(かんじゃ)を追い出しやすくなるのです。(参照:気候の変化が体調不良を引き起こします。https://ginza-fuwari.jp/fuwari/3490/)
妊活を始めるなら今
身体を温めるには夏が最も適している。ということは、妊活にもぴったりな時季ですね。
妊活をする前に生活を見直してみましょう。
生活の中のNG
・湯ぶねに浸からずにシャワーだけですましている
・冷房の部屋で薄着になって一日中過ごす
・暑いからといって冷たいものばかり食べている
思い当たる方はいませんか?
そして、身体を温めて体質改善をするにはお灸が効果的です。
この夏、妊活のひとつとして鍼灸治療を始めてみてはいかがでしょうか。
毎日のお灸で養生を
陽気を夏の間に補っておく生活の工夫としてセルフお灸が効果的です。
内臓の働きや自然治癒力を高める足三里(あしさんり)へのお灸で温かい身体を手に入れましょう。
ひざのお皿の下、外側のくぼみから指4本分下がったところで押すと圧痛があります。
胃腸の働きを整えるほか、頭痛、肩こり、冷え症、むくみ、アレルギーなど全身の症状に効果があります。
毎日のお灸で暑い夏を乗り越えましょう。