「ふはりお灸講座」虚実(きょじつ)を見極める

一般的にはあまりなじみのない言葉ですが、東洋医学では、「虚実」という言葉をよく耳にします。

「虚実」を辞書で引くと「実質、実態のあることとないこと。嘘と誠。」とありますが、東洋医学では何を表すのでしょうか?

虚実(きょうじつ)とは

●人が本来もっている体質と体力の有無をさします。基礎体力のある人は「実証」(じっしょう)、基礎体力が乏しい人は「虚証」(きょしょう)に分けます。

●また、病気に対する抵抗力(正気せいき)の強さも示します。抵抗力が強ければ「実証」、弱ければ「虚証」となります。

「証」(しょう)とは、その人が持っている現在の体質や体力の事です。

診察の際に、問診と合わせて顔色や体型、声の強弱、お腹の張りなどでその人の虚実(きょじつ)を見極め、治療方針を決める際の指標とします。

 

虚実(きょじつ)でみる体質の特徴

☆虚証→ 顔色が悪く青白い、痩せぎみ、声が弱々しい、胃腸が弱い、下痢をしやすい、食が細い、疲れやすい、クヨクヨする、汗をかきにくい、夏バテしやすくて冷え性

体力や気力が充実していないため、病気に対する抵抗力や反応が弱い状態です。風邪をひくと治りにくく、環境や季節の小さな変化にも敏感に反応をします。

体調の変化が出やすいので不調が軽いうちに対処ができ、病状が重くなりにくいのですが、病気が慢性化する傾向にあります。

 

☆実証→ つやがあり血色がよい、筋肉質でがっしりしている、声が大きい、胃腸が強い、便秘気味、食欲旺盛、活動的、自信家、暑がりで汗っかき

体力や気力が充実していて病気に対する抵抗力が強いので、病気になっても早く回復します。ただ、無理が効くので身体の不調を見逃して突然病気を患う傾向にあります。

 

虚証でもない、実証でもない?

虚実どちらも混ざり合っていることが多く、はっきりとどちらのタイプと決められないことがあります。

また、虚実どちらが良いというわけでもありません。

自分の身体が虚か実かを見極めることが大事で、わかっていると体質改善に役立てることができます。

 

体質改善に役立てる

例えば、虚証の人は、冷え症なので身体を温める食べ物を積極的に摂る

実証の人は、熱を外に出す食べ物を積極的に摂る・・・このようにそれぞれに合った養生法があります。

 

身体を労わる

自分の今の身体の状態を知ることが健康な生活を送るポイントになります。

毎日、数分間セルフお灸をすることで自分の身体と向き合う時間を持つことができます。

ゆったりとしながら、日頃気づかない身体の不調や変化に気づくことができる貴重な時間なのです。

 

今日もお灸でリラックスタイムを

労宮(ろうきゅう)と内関(ないかん)へのお灸でストレスを取り除きホットできるひと時を

労宮(ろうきゅう)は手のひらの中央のくぼみにあります。血行を促進してストレスや疲れからくる倦怠感を解消します。

内関(ないかん)は手首のシワから指3本分ひじの方へ上がった場所にあります。

ストレスからくるイライラや不安を解消して心を落ち着かせます☆彡