秋の肌荒れと鍼灸

心地よい秋風の吹く日が増えて心身ともにほっと一息つけるようになってきました。

同時に夏の疲れが一気に出る頃です。

季節の変わり目になると体調を崩す方が多く見られますが、それ以外でも肌悩みの方が急激に増えています。

秋になると肌悩みが増えるのはなぜ?

肌荒れの原因と症状

気温・湿度の変化

季節の変わり目は気温や湿度が大きく変わりやすく、これが肌荒れの大きな原因と考えられています。

夏から秋になると暖かい日中に比べ朝晩の寒暖差が大きくなり空気が乾燥してきます。

この時期の寒暖差で皮膚の新陳代謝が落ち、毛細血管の血流が減ることで、肌が乾燥してカサついたりかゆみの症状が出たりする人が増えてきます。

涼しくなったことにより長時間屋外での活動が可能となり、より多くの紫外線を浴びることで肌の乾燥も進行させてしまいます。

また、秋の植物アレルギーで鼻や目の痒みで擦ることにより湿疹病変となることもあります。

ストレスも肌荒れの原因

ストレスは、自律神経のはたらきを乱す一因です。

自律神経は身体を正常に保つための機能で、交感神経と副交感神経がバランスを取りながら、脈拍・体温・臓器の働きなどをコントロールしています。

交感神経と副交感神経には、それぞれ次の特徴があります。

・交感神経:起きているとき、緊張状態にあるときに優位になる
・副交感神経:寝ているとき、リラックスしているときに優位になる

心に負担がかかると、身体はストレスに対抗するために交感神経を優位に切り替えます。その状態が長く続くと自律神経のはたらきが乱れ、肌にも影響が現れます。

特に肌に影響を与えるのが次の2点です。

・ホルモンバランスが乱れる

ストレスによって自律神経のはたらきが乱れると、ホルモンバランスが崩れます。その結果、女性の場合、男性ホルモンが増加し、皮脂の過剰分泌によってニキビができやすくなるといわれています。

ストレスに起因するニキビは、男性ホルモンの影響で、ひげが生える場所にできる傾向があります。あご周辺やフェイスラインにニキビができたら、ストレスの影響を受けている可能性があります。

・皮膚のターンオーバー機能が低下する

ストレスの影響で自律神経が正常に機能しなくなると、皮膚の細胞が生まれ変わるサイクル=皮膚のターンオーバーに乱れが生じます。ストレスを受けて交感神経が優位になと血流が滞り、生まれ変わろうとする皮膚細胞に酸素・栄養が運ばれにくくなるためです。肌のくすみが気になるようになります。

また、皮膚のバリア機能が低下すると外部刺激に敏感に反応し、花粉やホコリなどの異物が触れただけでも肌に赤み・かゆみが生じます。

肌荒れの対処法

皮膚のバリア機能が低下した肌は、刺激に敏感です。デリケートな状態の肌に余計な負担をかけないためにも、刺激の少ない手入れを心がけましょう。使用するスキンケア用品も、低刺激性のものを選ぶことをおすすめします。

洗顔

洗顔は肌の刺激となる汚れを落とし、清浄に保つために重要なスキンケアです。しかし、間違った方法で洗顔すると逆に肌に負担をかけやすいので、正しい手順で行いましょう。

肌が荒れているときはたっぷりの泡を使い、顔を包むようにていねいに洗うことが大切です。泡立てネットを活用してキメ細かい泡を作り、大きく円を描くように手指を動かして洗いましょう。

保湿

肌が敏感な時期は乾燥しやすい傾向があります。肌荒れしたときは、念入りな保湿を心がけましょう。肌に必要な水分と油分を補給すると、低下した皮膚のバリア機能が整います。

肌のくすみや透明感が気になる人は血行を促す効果のある美容液やクリームをプラスしたり、ゴワつきや乾燥が気になる人は保湿力の高いマスクをプラスしたりと、いつもより肌をいたわってあげると効果的です。

紫外線対策

肌荒れしているデリケートな時期は、紫外線対策も重要です。夏ほど日差しは強くなくても、紫外線はしっかり降り注いでいます。

皮膚は全身を包み、外部の刺激から身体を守る役割を担っていますが、太陽光を浴びると、肌は紫外線が内部に侵入するのを防ぐために、余分な角質で覆うようはたらきかけます。その結果、肌の表面は角質肥厚の状態になります。

行楽シーズンなので長時間屋外にいることが多くなり紫外線によるダメージを受けてしまいます。

しっかりと紫外線対策をしてでかけましょう。

生活習慣を見直す

生活リズムを秋仕様に移行しましょう。

暑い夏はシャワーだけで済ませていた方もこの時期からは温かいお風呂に入るようにして血行をよくしましょう。

そして睡眠を普段より少し多めに取るようにします。30分早く寝ることで肌のターンオーバーを促す成長ホルモンの分泌を促進してあげます。

寝つきをよくするために軽いストレッチや温かい飲み物を飲んでリラックスし生活リズムを健康な状態にリセットしておくことも効果的です。

ストレスをためない

心の負担を和らげる対策が必要です。ストレスを溜め込まない工夫で、肌をより良い状態に近付けましょう。

肌荒れした際はゆっくり休んで、早めの回復を目指しましょう。

悩みごとや不安があると寝つきが悪くなり、睡眠不足で疲労が蓄積し、さらにストレスが溜るので、短めの昼寝をするなどして、しっかり身体を休めるのもおすすめです

旅行、音楽鑑賞、軽いスポーツなど趣味や娯楽など、興味のあることに積極的に取り組んで、心身ともにリラックスできるようにしましょう。

特におすすめなのは、軽めの運動です。身体を動かすと交感神経が優位になり、不安や悩みごとがあるときでもポジティブな気持ちになりやすいとされています。

身体を動かすとストレスから滞っていた血流が改善され、皮膚のターンオーバーを促進し、肌に良い効果が期待できます。

肌荒れと美容鍼灸

美容鍼は、顔面部への鍼治療のことを指します。

顔に鍼をさすことで痛みが気になりますが、使用する鍼の細さは髪の毛程度のため、蚊に刺される程度の刺激でほとんど痛みは感じません。(個人差があります。)

血行促進

鍼によって刺激を受けた体は、体内に異物が入ってきたと認識し、異物を排除し、傷を修復しようとして血流を促進させます。血液の中には患部の修復に必要な酸素(赤血球)や免疫細胞(白血球)などが含まれているので、血行をよくしてこれらの物質を効率よく運搬しようと働きかけるのです。

美容鍼をすると、血流がよくなることで肌のすみずみまで酸素や栄養素が行き渡り、肌本来の調子を整えることができます。

新陳代謝の活性化

鍼による刺激を受けた肌は、自己治癒力によって新しい細胞を生み出そうとする働きが強くなります。新しく生まれた細胞に十分な酸素と栄養を届けることで、新陳代謝がより活性化し、肌のリズムが整えられ、肌本来のバリア機能も高まります。

免疫力を高める

鍼で肌細胞や筋肉が刺激されると免疫力が高まります。

肌を紫外線などのダメージから守ったり、炎症が起きてもひどくならないように働きかけたりするなど、肌荒れを予防する素肌作りにも力を発揮します。

また消炎鎮痛作用もあるのでニキビケアにも効果的です。

定期的に施術を行うことで、お肌の新陳代謝をアップさせ、よりハリのあるきれいな肌へと導いていきます。