片頭痛(へんずつう)と鍼灸
片頭痛にお悩みの方は多く、当院への来院の症状の中でも比較的多くみられます。
頭痛の種類
頭痛には元々頭痛持ちの方の頭痛にあたる「一次性頭痛」と、感染や外傷、脳卒中など原因となる疾患がある「二次性頭痛」に分けられています。
片頭痛とは
偏頭痛は一次性頭痛に分類され、命に関わる病気ではありませんが慢性的な痛みとして日常生活へ支障をきたすことがあります。
片頭痛
片頭痛とは、頭の片側が痛むことに由来した頭痛の種類ですが、拍動性といわれる、脈に併せてズキズキと痛むのが特徴です。ただ、実際には頭の両側が痛むことも多く見られます。痛みとともに、光や音に過敏になったり、吐き気を伴うことがあります。片頭痛は前兆の有無と種類により「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」などに細分類されていて、かなり患者数の多い疾患です。また、片頭痛は女性に多いのも特徴です。
軽度の片頭痛の場合、まずはアルコールやカフェインの摂取を控え、暗くて静かな場所で安静にし痛みの感じる部分を冷やしてあげましょう
つらい症状や長引く症状がある時は、医師による診断・治療も視野に入れながら、頭痛と向き合って行きましょう。
一次性頭痛には他に、緊張型頭痛、群発頭痛があります。
緊張型頭痛
肩こりや首のこり、筋肉の緊張が原因による頭痛です。眼精疲労や精神的なストレスが原因でも起こります。頭が締め付けられるような痛みが長時間続き、首が固くなり動かしにくい状態が特徴です。同じ姿勢を長時間とらない、首や肩の運動、適度な運動や休息とストレスを溜めない工夫が必要になってきます。
軽度の緊張型頭痛の場合は、長時間の同じ姿勢であれば姿勢を変えたり血行をよくするためのストレッチがおすすめです。
片頭痛と違い冷やすのではなく体を温めるようにしましょう。
群発頭痛
20-40代の男性に多く見られ、非常に強い痛みを伴う稀な頭痛です。頭痛は片側の頭部や目の周りに特に現れ、目の充血や流涙、鼻汁、鼻閉などの症状が見られます。
メカニズムははっきりとは解明されていませんが、群発頭痛は動くことで痛みが和らぐ特徴があり、海綿静脈洞に貯まった血流を分散させることで痛みが軽減されるとも言われています。飲酒・喫煙、急激な気圧の変化が誘因となることも考えられ、季節の変わり目に頻繁に発症し、頭痛が出る前や出ている間に目の充血、流涙、鼻汁、鼻詰まり、まぶたのむくみなどの症状が現れることがあります。
つらい症状が続く時は、我慢せずに専門医の診察を受けることをおすすめします。
参考:脳神経内科の主な病気
片頭痛の発生メカニズムは「三叉神経血管説」が有力
片頭痛は、長らく原因が不明とされてきましたが、「血管の収縮と膨張」と「三叉神経の過敏状態」が合わさって痛みを強くしていると言われています。
光や音、においなどさまざまな刺激によって、顔面や頭部の感覚をつかさどる三叉神経の末端から血管に作用するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)やサブスタンスPなどの神経伝達物質が分泌されます。
それらの働きで、脳の表面(硬膜)の神経と血管の周囲に炎症がおこり、血管が拡張して痛みが起こると考えられています。
片頭痛の原因は?
人によって痛みを引き起こす原因は様々です。体質、天気や気圧の変化、寝不足、疲れ、女性ホルモンの変化、ストレス、飲酒など、これらの要因が複数重なって痛みが発症すると言われています。
また、アルコール、チョコレート、ナッツなど、血管を拡張する作用のある食べ物が片頭痛を引き起こすこともあります。
原因はそれぞれですので、医療機関にかかる場合を考えて痛みの出たときの天候や身体の状態などを記録しておくようにしましょう
片頭痛の前兆
人によって片頭痛の前兆が現れることがあります。
キラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性の症状がも多く、他には、めまいや耳鳴りも多く見られます。通常は60分以内に前兆が終わり、引き続いて頭痛が始まります。
女性に多い
片頭痛持ちの人の8割が女性と言われています。特に20代~40代の女性に多く、妊娠、出産、家事、育児などによるストレスや月経周期による女性ホルモンの変化が関連していると言われています。
片頭痛に対する鍼灸は?
片頭痛の原因は一つでないことが多いので、身体のバランスを整えていく鍼灸施術が効果的です。
頭痛の治療として、頭部や頚部のツボを刺激し、コリを解消させて痛みの改善を行っていきます。
原因が精神的ストレスによる場合は、鍼灸治療は特に有効です。ストレスの緩和に役立つツボ、自律神経のバランスを整えていくツボも刺激し、体のバランスを整えます。
鍼灸の効果は即効性があると言われますが、効果が出る早さは、個人の体質や、治療を受けた部位、不調の内容によって異なります。
鍼灸施術を続けることにより、根本から身体の不調を整えるため体質改善に繋がります。治療期間や治療方法などは、鍼灸師に相談しながら続けることをおすすめします。
また、鍼灸施術には副作用はありませんが、人によって治療後に身体の怠さを感じることもあります。これは数日で治まりますので問題はありません。